続・ワンダフル道中

明るい声のあいさつから始まる毎日を。

アンガーマネジメント「諦める力」の使い方

浪越先生とは、数年前の肉の日の「婚活セミナー」で出会いました。

浪越先生は女性グループ担当、わたしは男性グループを担当。
コミニュケーションスキルや話し方の基本を学び、そのあとのパーティでのマッチングを後押しする!という企画でした。


「肉の日がテーマの婚活パーティーなのに、みんなノンアルでいいの!?」とふたりで、若者とのジェンダーギャップに驚いたあの日が懐かしいっ。




今回ご縁があって、株式会社SOUさんでのアンガーマネジメント研修開催をご依頼させていただきました。

表情もお声も、ふんわり穏やかな浪越さん。
いつもニコニコ笑っている。
指先から足先まで、所作も丁寧。。。
素敵やぁぁぁ~~~。



でも実は、アンガーマネジメントに出会う前の浪越先生は、「子育てでアンガーしちゃう」ことが多かったんだそうです。「子育て」をきかっけにアンガーマネジメントに出会った浪越先生のお話からは、私がこれまで研修や本で学んだ「アンガーマネジメント」とはまったく違う気付きがありました。


イライラはどこからくるの?

「私はあんまり怒らないな。アンガーマネジメントできてるな」とずっと思っていました。

でもよく考えてみると、毎日のように子どもたちに「なんでこれを先にやらないの!」と言っています。
パートナーに「あの人はなんでいつもあぁなるの?」と思っています。
仕事の場面で「あの人は、なんでこれができないの?」と感じています。
一人でイライラしたり、車のドアを閉めてから「はぁ~」とため息をついてしまうことって、意外とあるかも。あら、わたし、けっこうアンガーが持ってたのね!!とまずは自分のアンガーを発見。


「アンガーマネジメントは、言いすぎてしまったという後悔や、言った後にごめんねと言わなければいけないような怒りのコントロールだけではありません。『怒りの気持ちを伝えられなかった』と後悔しないための方法もアンガーマネジメントで学べるんですよ」と浪越先生。

誰かに直接怒りをぶつけていなくても、毎日小さなアンガーには出会ってる。どうしようもない思いが、自分のなかにある。それを受け入れることが、アンガーマネジメントの第一歩なんだ、と気づくことができた瞬間でした。



「いやなんだ、分かってほしいんだ」と、毎回きちんと伝えられたらいいけれど、それがちょっと難しいときは、「モヤモヤを抱えている自分」を、わたし自身が認めてあげる。それなら今日からできそうな気がしてきました。

世の中は、自分のことを理解しようとしてくれる人ばかりではありません。
黙っていても忖度してくれる人なんて、いないのです。
だから、誰よりも最初に、自分が自分を認めてあげる。

アンガーマネジメントって、自分を大切にするっていうことなんだなぁと思えたのでした。


「私はあなたに、こういうことを、分かってほしい」と声に出して伝える大切さを再認識するワークもありました。
特に家のなかでは「分かってくれてるよね。もう10年以上連れ添ってるんだから」と、伝えることをサボっている場面をいくつか思い出し、大反省。
そして、もうひとつ。今回の研修を受けて、やめよう!と思ったのが「大人の力と権力で、子どもをコントロールしてしまうこと」。

ステップ1伝え方を変える。

子どもたちの毎日は、「選択肢」があまりありません。
朝起きて、時間通り学校へ行って、時間割通り授業を受けて、帰ってきたら宿題して、習い事へ行って、夜ご飯食べて、決まった時間に寝る。大人や社会が決めた枠のなかで過ごし続ける日々。こう書くと、まるで囚人みたいです。

でも今回、浪越先生の研修を受けて、伝え方を変えるだけで、子どもたちに選択肢を増やしてあげることができると知りました。

「宿題まだなの!?なんで先にゲームしてるの?」じゃなくて「私は宿題をしてからゲームをしてほしいと思ってるよ。いつするかは決めてね」と伝える。それだけで、子どもたちには「宿題をいつするか」を自分で選ぶチャンスが増えるのです。


とはいえ、昨日まで「早く宿題して!」と言ってたのに、急に私がそんな言い方したら「あれ?今日甘いやん。ラッキー♪」と子どもはゲームを続けること間違いなし。でもそれは、子どもの選択肢をこれまで私が奪ってきた結果。甘んじて受けるしかありません。

諦める私になる前に

「アンガーマネジメントでは『どうしようもないこともある。そんなときはあきらめましょう』とも言ってるんですよ」と浪越先生。

仕事や家事では「ポジティブに捉えて諦める」はしょっちゅうしています。「ま、いっか」が超得意です。


でも、子育てで「諦める」なんてできません。
子どもに期待していないみたい。親の責任を放棄しているみたい。
「諦める」なんて、ぜったいしてはいけない。
最後まで寄り添い続けるのが親の役目です。

ところが、ふと思ったのです。

もしかして、私は「諦める」のが嫌なんじゃなくて、他の人から「諦めてる親」に見られることが嫌なだけでは!?
「良い親とはこうあるべき」「素晴らしい子育てはこうあるべき」という、誰かが作った「べき」に縛られているのでは!?

どちらかと言えば人の目は気にしないタイプ。そう思っていたけれど、アンガーマネジメントを通して自分の子育てを見つめてみたら、実は誰よりも「人の目」を気にして子育てしていたのだと気づいてしまったのです。

諦める力が上手に使えたら、もっと自分らしく子育てできる

アンガーマネジメントが伝える「諦める力」は、仕事や社会のなかでは、自分をアンガーから解放するための手段になります。
でも子育てのなかでの「諦める力」は、子どもに「決める権利」を持たせてあげるという意識に切り替えることなのかもしれません。


そう気づくと、もう一つ発見がありました。
それは、「私が諦める」というカードの裏側には、「相手の決断を信じて委ねる」という言葉がぴたりとくっついていたのです。

子どもたちがどう過ごすかは、子どもたちが決める。
子どもの人生の主導権を、子どもにしっかり渡す。
最後は手を放して、子どもの力を信じ切る。

私と子どもたちの関係、家族のなかでの子どもの権利、いろいろなものに気付かせてくれた、浪越先生のアンガーマネジメント研修を終えて、さっそく今日から実践です。

「I (アイ)メッセージ」で伝える。
あとは子どもが考えて自分で選ぶんだ、と手をはなす。
そして、諦める。
「あなたの考えや決断を尊重するよ」という最高の愛情をくっつけて。