続・ワンダフル道中

明るい声のあいさつから始まる毎日を。

地域防災力向上シンポジウムin徳島2020

阪神淡路大震災から25年、1月17日に阿波銀ホールで「地域防災力向上シンポジウムin徳島2020」が開催されました。



今回の基調講演は
減災と男女共同参画 研修推進センター 共同代表の浅野幸子氏。
阪神淡路大震災のときに学生ボランティアとして現地で復興を支え、その経験と知識から現在も被災地支援など多方面で活動している方です。





基調講演「避難生活で命と健康、本当に守れますか?~高齢者、障がい者、子ども、女性などの視点から~」


平日、午後2時、あなたとあなたの家族はどこにいますか?誰といますか?

そんな問いかけからはじまった講演。
いつ、どんなときに、どんなふうにやってくるかわからないのが災害です。

私の場合は、認知症対応型通所介護で対面ケアに携わっているときかもしれません。職員の方と施設でミーティングをしているかもしれません。放課後等デイサービスで療育中かもしれません。


そんなときに「自分」は、何ができるのか。もちろん自助、自分の命を守ることは最優先です。そのあと、助けが必要な人に声を掛けながら避難する。きっとここまではみなさんも想像されるかもしれません。


でも浅野先生がお話された大半は、避難したあとのこと。





関連死は直接死の4倍


警察庁内閣府の発表したグラフ・報告書を見ながら、災害時の被災実態や避難支援が必要な人の実際の避難行動について振り返っていきました。
避難支援が必要だった方のなかには、支援がなく避難できなかった人もいれば、したいけれど居づらいと感じるからという理由で避難しなかったという人もいました。避難支援が必要だった人の実態に至っては、生き残った人だけが回答しているので、本当はもしかしたらもっと切実な思いもあったかもしれません。

「結果が数字で出ているのだから、それを見て、知って、参考にしてください」と浅野先生は繰り返し話されています。




死者数の増加も「被災のショック・過酷な避難生活等により血圧上昇、脱水による血液粘土の上昇で心不全エコノミークラス症候群)、心筋梗塞脳卒中」など、通常の生活ではないから起きているというのが事実です。
そんななかで、私たちができることは生活・立場による避難生活上の問題を解決しながら、互いに配慮しながら過ごすこと。


今回は「女性が男性とともにリーダーシップを発揮する、女性リーダーを通して要望を聞く」など女性の活躍についても多く触れていました。
実体験から、悲しい出来事だけでなく素晴らしい事例もたくさん紹介されました。





ステージ横で聞きながら、資料から文字がはみ出すほどたくさんメモをしました。
機会があれば、認知症サポーター養成講座や研修の中で、浅野先生から聞いたお話を少しでもお伝えていこうと思います。




徳島県は防災に力を入れている、と県知事も自主防災会の方も話されていました。
それをどれだけ多くの人に発信していけるか、それは私たちひとりひとりの役目なんだなぁと実感しています。




自宅の備蓄品や避難経路について、家族で話し合う良い機会になりました。





==余談==
浅野先生の講演のなかでも「避難所に、食物アレルギーや嚥下障害のある方がいたらどう対応するか」という話題が出てきました。我が家では長男がアナフィラキシー既往歴のあるナッツアレルギー。ちょうどこの日も病院で食物負荷試験で半日入院していました。カシューナッツ0.1グラムで違和感があり、0.2グラムでは嘔吐。頑張りましたが0.5グラムまでいけず。少しずつ負荷を繰り返し、いざというときに大きな事故にならないようトレーニングしていくことになりました。「知らない」ことが命に係わる事態を招くので「自分から発信することが大切なんだよ」と教えているところです。
「反応が出るまでドラえもんを見ながら過ごす」の図。