2回目のレッスンでは「腹式呼吸と発声の基本」についてみなさんに体感してもらいました。3回目からはそこで習得した「腹式呼吸と発声の基本」をウォーミングアップとして毎回最初に行います。
【ウォーミングアップ】
①体のストレッチ
②腹式呼吸
③口全体をほぐす「リップロール」
④腹式呼吸で音を出す
⑤口角を話すトレーニング「イウ」
①体のストレッチ
声は口から出すだけのものではありません。人前に立つときは、両足でしっかり地面を踏み上半身を腰で支え、背筋を伸ばします。声を出すときは頭蓋骨にも響かせるような気持ちで発声します。全身のストレッチが無理でも、上半身、腕、背中、肩、首はきちんとほぐしておきましょう。
鼻でしっかり吸って、口で吐く・・・・
基本的なことですがあせったり慌てたりすると、できるだけたくさんの空気を吸い込もうとします。そんなとき、口で「スーーーーーっ」と吸い込んでしま人がいます。
鼻よりも口のほうが多量に空気を取り込める気がしてしまうんですね。
たまにラジオでお話の途中に「スゥゥゥ~~~ッ」っという吸い込み音が入る人がいます。
ご本人はそのつもりがなくても聴いている人には緊張感が伝わってしまいますよね。
実はいくら口で一所懸命息を吸っても、おなかの奥まではしっかり空気を送り込めないんです。
喉や胸のところでたまった空気を音にして出すと
それは「響きのない音」になってしまいます。
お腹に空気を入れる
意識してもなかなかできないのが腹式呼吸。
「わざわざ腹式呼吸やせんでも別に声出るでぇ~」と思われるかもしれません。
が、しっかりと語尾まで言い切るには、たっぷりの空気をおなかにためてゆっくり出す必要があるのです。
同じ文字数の言葉でも、早口とゆっくりでは必要な息の長さが違います。
「意識してもなかなかできないのが腹式呼吸」を早口で言うと2秒くらいで言えます。
同じ言葉をできるだけゆ~っくり言ってみてくください・・・・4秒、もしくは5秒くらいかけて言える人もいるかもしれません。
このときにおなかからしっかり、ゆっくり空気を出すことができたら最後まではっきり言い切ることができます。
「ゆっくり丁寧に話す」ときほど腹式が必要なのです。
立ったままよりも寝た姿勢のほうが腹式呼吸を意識しやすいので自宅でするときは横になって息を吐く練習をしてみてくださいね。
③口全体をほぐす「リップロール」
唇を震わせて「ブルブルブルブル」と音を出してみてください。プスス・・・・と空気が漏れてしまうのは「空気がうまく出せていない」証拠です。舌を正しく動かせてない、口の周りを筋肉を意識して動かせてないことが、滑舌が悪かったりよく噛んでしまう、詰まってしまう原因かもしれませんよ。
ここでやっと腹式呼吸をしながら声を出す、に挑戦です。「フ―――」と吐いていた息を今度は、「ハーーーー」に変えてみましょう。それから「ハ」を実際に音(声)に出してみます。
・大きく口を開ける・喉を開ける・身体全体に声を響かせる
この3つをしっかり意識してくださいね。
⑤口角を話すトレーニング「イウ」
「ア」の口で声を出したので今度は「イ」「ウ」の口も口角を上げてきれいな発音で音(声)にします。
口の形をきれいに整えることがポイントです。
「口や普通に開けとっても発音できるのに」と思ったかもしれません。その人は意識せずともしっかりほほの筋肉、口まわり、舌を正しく動かせているはずです。
よく聞き返される、よく噛む、言いにくい単語がある、声がひっくり返るなど…すべてどこかに解決の糸口があるのでそれを探していきましょう。
ひとりひとり、口の形、あごの形、舌の長さ、歯並びが違います。解決方法はひとつではありません。例えば歯に隙間が多いと「S」の音は空気が抜けてしまい、聞き取りにくくなったり言いにくくなったりします。
まずは腹式と発声・発音をすることで自分の声の特性をしっかり掴むところから始めましょう。
今日は最後に、前回のレッスンで収録した自分の声を聞きました。
「イヤー!こんな声⁉︎」
「私、早口ですね」
「原稿なしでこんなに話すってすごいですね」などなど。
今回はムービーでなく音声だけなので、話すスピード、響き、抑揚などがより一層伝わってきました。
三回目のレッスンは、気分を変えて1階のキッチン付きフロアで。ストレッチと腹式呼吸を意識した発声練習だけで「暑くなってきた~」。みんなでコーヒーで一息入れました。しなさんの長野松本のお土産「くるみ餅」をお茶請けに。ご馳走さまでした(*´∇`)ノ
次回は書き言葉を即座に読み言葉に変換するトレーニングに挑戦します。
自分で作った資料をただ棒読みするだけ、なんてことありませんか?
作った資料や原稿を、伝わりやすいように、感情を乗せて「自分らしい口語」にするヒントを探しましょう!